近年、さまざまな業界でドローンの導入が進んでいます。
点検や測量、調査、記録など、これまで人の手で行ってきた作業を空から行える点が評価され、地方部を中心に「現実的なツール」として使われ始めています。
特に中国地方は、ドローン活用と相性の良い地域特性を持っています。
中国地方は全体の約7割以上が山地で構成されており、平野部は限られています。中山間地域や山あいの集落、離島・半島部も多く、人が移動するだけでも時間と労力がかかる現場が少なくありません。
こうした地域では、「現地に行くこと」自体がコストになりやすく、ドローンの価値がより分かりやすく表れます。

ドローン導入の大きなメリットのひとつは、移動や作業にかかる時間を大幅に短縮できることです。
山間部の法面確認、河川沿いの点検、農地や造成地の状況把握など、従来は徒歩や車で回っていた作業を、ドローンなら短時間で俯瞰できます。
中国地方では、中国山地を中心としたなだらかな山地が東西に広がり、その中に小さな集落やインフラが点在しています。こうした環境では、「一箇所ずつ確認する」よりも「全体を一度に把握する」ほうが合理的な場面が多く、ドローンによる空撮や点検は現場負担の軽減に直結します。
次に大きいのが、安全性の向上です。
中国地方は土砂災害の危険箇所が全国的に見ても多く、急傾斜地や崩落リスクを抱えた場所が各地に存在します。実際、全国の土砂災害危険箇所のうち、中国地方が占める割合は高いとされています。
こうした場所に人が直接入る点検や調査は、常に危険と隣り合わせです。
ドローンを使えば、人が足を踏み入れずに状況を確認できるため、事故リスクを大きく減らすことができます。
「人が行かなくていい」という点は、単なる効率化以上に重要な価値と言えるでしょう。
また、少人数でも業務が回るという点も、地方では見逃せません。
中国地方では人口減少と高齢化が進み、建設業や農業などの現場では慢性的な人手不足が課題になっています。
ドローンを導入することで、これまで複数人で行っていた確認作業や測量作業を、1人または少人数で実施できるようになるケースもあります。
「人を増やす」のが難しい地域だからこそ、「やり方を変える」選択肢としてドローンは現実的です。
さらに、ドローンは記録として残せる点でも強みがあります。
写真や動画としてデータを残せば、後日の比較や説明、トラブル防止にも役立ちます。
離れた場所にいる関係者とも情報を共有しやすく、移動時間の削減にもつながります。
一方で、ドローン導入には注意点もあります。
まず大前提として、ドローンはどこでも自由に飛ばせるわけではありません。
中国地方は中山間地域が多い一方で、集落が点在しているため、気付かないうちに人口集中地区(DID)や人家の近くを飛行してしまうケースもあります。
場所や飛行方法によっては、国の許可・承認が必要となり、知らずに飛ばすと違反になる可能性があります。
「山の中だから大丈夫」「田舎だから問題ない」といった認識は、特に注意が必要です。
また、地域への配慮も欠かせません。
ドローンは音や見た目で不安を与えることがあり、特に集落の近くや離島では、住民との距離が近い分、トラブルに発展しやすい側面があります。
法律を守ることは当然として、事前説明や飛行ルートの工夫など、運用面での気配りが求められます。
さらに、ドローンは買えば終わりの道具ではありません。
機体登録、バッテリー管理、保険、定期点検など、継続的な管理が必要です。
天候の影響を受けやすい中国地方では、日本海側と瀬戸内側で気候差も大きく、風や雨への判断力も重要になります。
ドローン導入で失敗しやすいのは、
「便利そうだから導入したが、使い道が定まらなかった」
というケースです。
まずは、
「どの作業を楽にしたいのか」
「今の現場で本当に困っていることは何か」
を整理し、小さく試すことが成功の近道です。
中国地方は、地形・人口構造・産業構成の面で、ドローンの価値が発揮されやすい地域です。
正しい知識と運用を前提にすれば、ドローンは単なる新技術ではなく、地域の現場を支える実用的な道具になります。
現場でよくある「これ飛ばしていいの?」みたいな相談をいただきます。
操作のコツから登録・申請まで、実際に使う前提でサポートしてます。
質問などお気軽にお問い合わせください。
