広島で進む「赤外線ドローンによる屋外広告物点検」

近年、広島県内でも 屋外広告物(看板)の安全管理がこれまで以上に重視されるようになっています。
その背景には、全国で相次いだ 老朽化した看板の落下・倒壊事故と、それを受けた 条例改正と点検義務の強化があります。
こうした流れの中で、赤外線ドローンを活用した屋外広告物点検が、広島でも現実的な選択肢として広がり始めています。


目次

屋外広告物点検が「義務」となった背景

広島県では、一定規模以上の屋外広告物について
有資格者による安全点検の実施と、その結果報告が義務付けられています。
これは、老朽化や管理不十分による事故を未然に防ぐことを目的とした制度です。

具体的には、

  • 高さ4m超、または表示面積10㎡超の広告物
  • 屋上広告、壁面広告、突出看板、広告塔など

が対象となり、
設置から5年経過後の更新時、その後は3年ごとに安全点検報告書の提出が求められます。

点検・管理の責任は、施工業者ではなく
広告物の所有者・管理者側にある点も重要なポイントです。


従来の屋外広告物点検が抱えていた課題

これまで主流だった屋外広告物点検は、

  • 足場の設置
  • 高所作業車の使用
  • 夜間作業(交通・営業への配慮)

といった方法が一般的でした。

しかしこの方法では、

  • コストが高い
  • 作業日程の調整が難しい
  • 作業員の安全リスクが高い
  • 市街地では交通規制が必要になる

といった課題が避けられませんでした。
特に広島市内や主要幹線道路沿いでは、現実的に点検が後回しになるケースも少なくありません。


赤外線ドローン点検とは何か

赤外線ドローン点検とは、
ドローンに可視カメラと赤外線カメラ(サーモグラフィ)を搭載し、上空から広告物を調査する点検手法です。

赤外線カメラは、表面温度のムラを可視化することで、

  • 内部の腐食
  • 塗装・防水性能の低下
  • 水分滞留や浮きの兆候

といった 目視では分かりにくい異常の“兆し”を捉えることができます。


広島で赤外線ドローン点検が注目される理由

① 沿岸部・都市部が混在する地域特性

広島は、

  • 瀬戸内海沿岸の塩害環境
  • 市街地の高所・壁面広告
  • 山間部の自立看板・広告塔

が混在する地域です。
こうした環境では、外観は問題なく見えても内部劣化が進行しているケースが多く、赤外線による非破壊調査との相性が良いとされています。

② 人通り・交通量が多いエリアでの安全性

ドローン点検では、

  • 作業員が高所に上らない
  • 足場や大型機材が不要
  • 点検時間が短い

ため、第三者への安全配慮という点でも有効です。


赤外線ドローン点検で「できること・できないこと」

赤外線ドローンで把握できること

  • 支持部・取付部周辺の異常兆候
  • 塗装劣化・防水性能低下の疑い
  • 水分滞留や内部腐食の可能性
  • 照明設備の発熱異常(日中確認が可能)

注意すべき点

赤外線ドローンは万能ではありません

  • 構造内部の詳細確認
  • ボルトの締結状態の最終判断
  • 打診・触診が必要な箇所

については、目視点検や部分的な近接調査との併用が前提となります。


点検手法の「置き換え」ではなく「合理化」

赤外線ドローン点検は、
従来点検をすべて置き換えるものではありません。

  • 広範囲を効率よくスクリーニング
  • 危険箇所を事前に絞り込む
  • 不要な足場・工事を減らす

という位置付けで導入されるケースが増えています。

結果として、

  • 点検コストの最適化
  • 事故リスクの低減
  • 管理者の法令遵守負担の軽減

につながる点が評価されています。


まとめ|広島の屋外広告物点検は「予防」の時代へ

屋外広告物の安全管理は、
「何か起きてから対応するもの」ではなく、「起きる前に防ぐもの」へと変わりつつあります。

赤外線ドローンを活用した点検は、

  • 広島の地域特性
  • 法令・条例の流れ
  • 管理者責任の明確化

これらに適合した、現実的で持続可能な点検手法の一つと言えるでしょう。

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