管理者責任と点検を怠った場合のリスク ― 広島で屋外広告物を管理するすべての人へ ―

屋外広告物(看板)は、店舗や企業の「顔」となる重要な設備である一方、
管理を怠れば第三者の生命や安全を脅かす危険物にもなり得ます。

広島県内では、老朽化した屋外広告物の落下・倒壊事故を防ぐため、
屋外広告物条例により管理者責任と安全点検義務が明確化されています。
しかし実際には、「設置してから一度も点検していない」「業者任せで把握していない」
といったケースも少なくありません。

本記事では、
管理者の責任とは何か、そして 点検を怠った場合に生じる具体的なリスクについて解説します。


目次

屋外広告物における「管理者責任」とは

広島県および広島市の条例では、屋外広告物について
表示者・設置者・所有者・占有者・管理者それぞれに管理責任があるとされています。

特に重要なのが「管理者」の存在です。

一定規模以上の屋外広告物(高さ4m超、または表示面積10㎡超など)については、

  • 有資格者を管理者として選任すること
  • 管理者が安全点検を実施すること
  • 点検結果を報告書として提出すること

が義務付けられています。

つまり、
「設置した業者が悪い」「古い看板だから仕方ない」では済まされず、
現在その広告物を所有・管理している側に責任がある

という点が制度の大きな特徴です。


管理者は「名義だけ」では許されない

管理者は単なる形式的な肩書きではありません。条例上、管理者には以下の役割が求められます。

  • 広告物を良好な状態に維持すること
  • 定期的に安全点検を行うこと
  • 危険がある場合は補修・撤去などの措置を講じること

点検を実施せず、異常を放置したまま事故が発生した場合、
「管理者としての義務を果たしていなかった」と判断される可能性があります。


点検を怠った場合に起こり得るリスク①

人身事故・物損事故の発生

屋外広告物は、雨風・紫外線・塩害などに長期間さらされます。

  • 内部鉄骨の腐食
  • ボルト・ビスの緩み
  • 取付部の劣化

といった変化は、外観からは分かりにくいまま進行します。

実際、全国では老朽化した看板が落下し、
通行人が重傷を負う重大事故が発生しています。
これらの事故を契機に、点検義務が全国的に強化されてきました。

事故が起これば、
「点検していなかった」という事実そのものが重大な過失として扱われます。


点検を怠った場合に起こり得るリスク②

民事上の損害賠償責任

看板の落下や倒壊によって、

  • 歩行者が負傷した
  • 車両や建物を損傷させた

といった場合、
管理者・所有者は 高額な損害賠償責任を負う可能性があります。

特に問題視されるのは、

  • 点検記録が残っていない
  • 有資格者による点検を行っていない

といったケースです。

「事故は予測できなかった」と主張しても、
本来実施すべき点検を怠っていれば、責任は免れにくいと考えられています。


点検を怠った場合に起こり得るリスク③

行政指導・命令・罰則

広島県・広島市の条例では、

  • 点検未実施
  • 報告書未提出
  • 危険な状態の放置

が確認された場合、
是正命令・撤去命令が出されることがあります。

さらに、管理義務に違反した場合、
30万円以下の罰金が科される可能性も制度上示されています。

行政対応は「事故が起きてから」ではなく、
指摘を受けた時点で営業・運営に大きな影響を与えることもあります。


点検を怠った場合に起こり得るリスク④

企業・店舗の信用失墜

事故や行政指導は、金銭的な損失だけで終わりません。

  • 「安全管理ができていない企業」
  • 「管理がずさんな店舗」

という評価は、
ブランドイメージ・集客・取引関係に大きな悪影響を及ぼします。

特に広島市の中心部や商業エリアでは、
一度の事故がSNSや報道で拡散され、
長期的な信用低下につながるケースも想定されます。


管理者責任を果たすために重要な考え方

重要なのは、
「事故を防ぐために、何をしていたか説明できる状態を作ること」です。

そのためには、

  • 定期的な点検の実施
  • 点検結果の記録・保管
  • 異常があった際の対応履歴

を残しておくことが不可欠です。

赤外線ドローン点検などの新しい手法は、
安全性を高め、点検を継続しやすくするための手段であり、
管理者責任を果たす上で有効に活用されています。


まとめ|「知らなかった」では済まされない時代へ

屋外広告物の管理は、
「設置したら終わり」ではありません。

広島では、

  • 管理者責任の明確化
  • 点検義務の制度化
  • 事故時の責任追及の厳格化

が進んでいます。

点検を怠ることは、
事故・賠償・行政処分・信用失墜という
複数のリスクを同時に抱え込むことを意味します。

だからこそ、
「何か起きる前に、点検しているか」
が、管理者として最も重要な判断基準となるのです。

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